CIC Tokyo

CIC Tokyo

都市のようなアベイラブルな場

世界の8都市にイノベーションセンターを展開するCIC(ケンブリッジイノベーションセンター)が、アジア初となる拠点を東京につくるプロジェクトである. CICはさまざまなスタートアップ企業に対してワークスペースと、ビジネスの成長とグローバル展開のためのコミュニティやサービスを提供している企業である。私たちは、虎ノ門ヒルズビジネスタワーという四角形の強いグリッドの中に、アベイラブルな場(人が活かされる場)をつくりたいと考えた。

CELLとROJI CORNER

私たちはスタートアップの場として、成長や分裂を繰り返すCELL(細胞)から発想し、“CELL=個室”が有機的に連結する空間を考えた。CELLの連結は時に廊下となり、時に大きな個室を形成する。同じ大きさ・形状の個室は一つとしてなく、見通しの効かない廊下が屈折しながら続いていく。廊下の溜まり場となる場所にROJI CORNERを点在させることで、都市の路地裏のように新たな発見や偶然な出会いが生まれる。

上下階をシームレスに繋ぐ階段

ひとびとが集まるテナントエリア中央には、上下階をシームレスに繋ぐオープンな階段とイベントを行うベンチャーカフェを設けた.この階段を中心にフロア全体が回遊性のある動線となっており,多数の集まる場から個の居場所といった活動のグラデーションが生まれている。

新たな働き方の可能性

人間は隠れた場所や隅っこを好み、路地裏では多く活動やコミュニティが生まれる。ROJI CORNERはゆるやかで偶発的な繋がりのハブとなり,ひとりで仕事したり打ち合わせを行ったりと多様なスタイルで使える路地裏のような居場所である。使い手が多様に移動する働き方は,プロジェクトごとで働くPBW(プロジェクトベースドワーキング)への可能性を示すもので、今後のイノベーションを加速する空間構成のひとつと考えている。

Location

Minato-ku, Tokyo

Year

2020

Category

Office

Architecture

CIC + Tetsuo Kobori Architects

Structural / Mechanical Engineering

Arup

Sign

Arata Takemoto Design

Furniture design, production and cordinate

CIC + Tetsuo Kobori Architects + Inter Office

Furniture design and production

Hidakuma

Furniture production

Kitokurashi no seisakusho

Construction

Mori Building

Photograph

Takahiro Arai