梅光学院大学
BAIKO GAKUIN UNIVERSITY “The Learning Station CROSSLIGHT”
都市の延長である三次元網目構造
梅光学院大学新校舎「The Learning Station CROSSLIGHT」は、学生が世界で活躍できる人材となるべく、”考える力”“生きる力”が培われる場を目指している。山口県下関市のキャンパスは、襞状の複雑な地形に道路が入り組む、密集した市街地にある。学校や市体育館、住宅などさまざまな要素が周囲を囲んでいることから、新校舎はこれらの中心的な場となるよう、キャンパスと街との境界をなくし、建物へ多方向からアクセスできる出入口を持たせた。点在した立体ヴォイドによる動線や視線が複雑につながる三次元網目構造の概念によってつくられたアクティブラーニング空間は、学びの空間そのものが都市構造(社会の縮図)と連続し、まったく新しい学びのシーンをつくり出していく。
横長のキャンパスにはもともと中央に広いグラウンドがあった。CROSSLIGHTが出来ることで、学生の外の居場所がなくなってしまう。そこで私たちは、当初プロポーザルの提案として、既存校舎解体後の敷地をセントラルパークとして整備することを提案をした。
CROSSLIGHT竣工後3年を経て完成したセントラルパークは、CROSSLIGHTのグリッドが外に延長されたかのような、連続したデザインとなっており、グリッド内に学生が佇むことができる居場所をつくっている。将来的には塀を取り除いて、北側の陸上競技場までさらにグリッドが延長し行き来ができる、そんな構想の実現を望んでいる。
半年後の「The Learning Station CROSSLIGHT」
学生たちはそれぞれにお気に入りの場所を見つけ、勉強したり、ディスカッションをしたり、思い思いに過ごす。見え隠れがある空間には、こもるような場所もあり、一人勉強に集中する学生の姿も。
トップライトから入る光は刻一刻と表情を変え、学生たちの賑やかな活動を見守るかのようだ。中間期には開口を開けて風を室内へと導き、自ら心地よい場所を創出する。自然の変化に促されるように、学生たちの活動も多様に変化していく。一つとして同じ環境、同じ状況はない。その揺らぎのある空間が学生たちの創造力、自主性を増幅させ、我々の想像を超える新たな活動が生み出されている。
Location
Shinomoseki, Yamaguchi
Year
2019
Category
University
Area
approx.3,800㎡
Structure
Steel frame
Structural / Mechanical Engineering
Arup
Landscape Design
DNA
Disaster Prevention Plan
Akeno Facility Resilience
Sign
Arata Takemoto Design
Furniture
Inter Office
Construction
Shimizu Corporation / Murakami Kogyo (Central Park)
Photograph
Takahiro Arai, Nacása & Partners, YASHIRO PHOTO OFFICE (Central Park)
Architecture
Tetsuo Kobori Architects