2025.03.07
新・帝国劇場の設計を担当させていただくことになりました。
3代目となる帝国劇場の設計を弊社が担当させていただくことになり、1月16日に現・帝国劇場にて記者発表会を行いました。
帝国劇場を運営する東宝株式会社の常務執行役員 演劇本部長の池田篤郎氏とともに、新・帝国劇場の概要を発表し、多くのメディアの皆さまにご参加いただきました。


- 帝国劇場建て替え計画の概要
2代目となる現在の帝国劇場は、東宝株式会社発祥の地、日比谷から程近く、対面には美しい皇居、三方はビジネスセンターの丸の内に囲まれたロケーションに位置し、世界に誇る設備と格調を有しています。
3代にわたる帝国劇場の歴史は、1911 年の開場以来綿々と続く、芸術性と大衆性の融合、進取の精神と舞台への熱き想いを今後も真摯に受け継ぎながら、新たな世紀に向け踏み出そうとしています。
新たな帝国劇場は、初代と現在の帝劇独自の特徴を更に発展させることを軸に客席・舞台は現状と同規模とし、ロビー空間やバックヤードを充実させ、劇場の演出技術を豊かにすることで、世界に発信する日本のフラッグシップの劇場として誕生します。
- 設計関係者
PM/CM:日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社
劇場コンサルタント:株式会社シアターワークショップ
設計:小堀哲夫建築設計事務所

- 新・帝国劇場 建築デザインコンセプト 「THE VEIL」
新・帝国劇場の建築のコンセプトは、「THE VEIL」です。
帝国劇場は皇居に面し、水のきらめき・美しい光・豊かな緑といった唯一無二の環境に恵まれています。それらの自然を纏い、自然に包み込まれるようなイメージが、新しい劇場にふさわしいと考えました。自然の移ろいを感じながら、ヴェールの向こう側の世界を想像することで、人々の期待感は最高潮に達します。そして、ホワイエの華やかな風景が街から垣間見えることで、街の舞台となるような劇場となります。
正面性をもったエントランス・ホワイエ・客席・舞台への連続性は、新たな帝国劇場の格式をつくります。ヴェールのように幾重にも重なる空間をくぐり、体験が変化していくことで、客席に至るまでのアプローチ全体も含めて、この場所でしかできない豊かな観劇体験をつくり出します。帝国劇場のもつ華やかさを発展させながら、世界に向けて発信できる日本の劇場として、すべての人に高揚を与える、そして心地よい空間となることを目指します。それは「未来を見つめた日本らしさ」でもあります。これらのコンセプトのもと、関係者とともに現在設計を進めているところです。(小堀哲夫)